一人暮らしの部屋や新しいキッチンで、電子レンジの置き場所に困る人は多いはずです。棚のサイズに本体がぎりぎり入っても、それで設置できたとは限りません。

結論から言うと、置き場所を決める基準は2つです。本体の周りに、説明書で決められたすき間を取れることと、水平で丈夫な台に載せられること。すき間の数字は機種によって大きく違い、左右と背面を壁に付けられる機種もあれば、四方に5〜15cmほど必要な機種もあります。この記事では、メーカーの説明書とFAQをもとに、すき間の目安、冷蔵庫の上やラックに置ける条件、置いてはいけない場所を順に整理します。機種そのものの選び方は電子レンジのおすすめ・ランキングにまとめています。

電子レンジの置き場所、先に結論

細かい条件の前に、外さないための目安を並べます。

  • すき間はお使いの型番の取扱説明書の「設置寸法」に従う(一般論の数字より優先)
  • 上・後ろ・左右のうち、どこか1面を必ず開けるよう指定する機種もある
  • 冷蔵庫の上は、天板の耐熱温度と耐荷重を冷蔵庫側の説明書で確かめてから
  • 炊飯器や電気ポットなど、蒸気が出る家電をレンジの下に置かない
  • テレビ・ラジオ・無線LAN機器から離し、アース線をつなぐ

電子レンジは、使っているあいだ本体の外側も熱くなる家電です。日立は、発火や壁の汚れ、機能の低下を防ぐため、壁とのすき間を必ず取るよう案内しています。排気が熱に弱い壁材や家具に当たらないようにすることもあわせて挙げています。置き場所の話は、見た目や動線より先に、この「熱の逃げ道」から考えるのが近道です。

すき間は何cm?上・後ろ・左右の目安と「ぴったり置ける機種」

すき間の数字は、メーカーや機種によって違います。まずは実際の機種の案内を見てみます。

機種(メーカー) 左右 後ろ 上
ER-M17Y(東芝・単機能レンジ) 5cm以上 10cm以上 15cm以上
ER-XS23(東芝・単機能レンジ) ぴったり可 ぴったり可 10cm以上
NE-UBS10D(パナソニック・スチームオーブンレンジ) ぴったり可 ぴったり可 8cm以上

同じ単機能レンジでも、四方にすき間が要る機種と、左右と背面を壁に付けられる機種があります。東芝のER-M17Yは、上・後ろ・左右のどれか1面を必ず開けるよう書かれています。パナソニックは一般的な目安として、背面と左右におおむね10〜20cm、上方におおむね8cmを挙げたうえで、正確な数値は機種ごとの説明書で確かめるよう案内しています。

電子レンジの上と左右にすき間をあけ、排気が壁に直接当たらないように置く(イメージ画像)
電子レンジの上と左右にすき間をあけ、排気が壁に直接当たらないように置く(イメージ画像)

ぴったり設置の機種でも、上方のすき間は残ります。熱は上に逃げるためで、レンジの上に棚板が迫っている置き場所では、ぴったり設置対応の機種でも置けないことがあります。

すき間を説明書の数字より広く取りたい場面もあります。東芝は、熱に弱い壁・家具・家電・コンセントが近くにある場合や、コンセントが排気口の近くにある場合は、記載より広くあけるよう注記しています。日立も、壁にぴったり置ける機種でも、壁材によっては接触跡や結露が出ることがあるとしています。その場合は少し離し、排気が壁に直接当たらない向きに置きます。

後ろが窓などのガラスになっている場所は特に注意が必要です。東芝と日立はどちらも、温度差でガラスが割れるおそれがあるとして、後方を20cm以上あけるよう案内しています。

冷蔵庫の上に電子レンジは置ける?確かめる3つの条件

一人暮らし向けの小さな冷蔵庫の上は、レンジの置き場所として定番です。ただし、どの冷蔵庫でも置けるわけではありません。確かめるのは次の3つです。

1つ目は天板の耐熱温度です。日立は、冷蔵庫などの上に置くときは耐熱100℃以上あるかを確認するよう案内しています。耐熱の天板(トップテーブル)は、冷蔵庫のカタログや説明書に「耐熱100℃」のように書かれています。

2つ目は天板の耐荷重と、本体の大きさです。シャープの128Lの冷蔵庫SJ-H13Eは、天板が耐熱100℃・耐荷重30kgと案内されています。パナソニックによると、庫内容量30Lクラスのレンジは重さが約20kgです。重さに加えて、レンジの脚の間隔が天板より狭いことも大事で、天板からはみ出すと不安定になります。

3つ目は、上方と冷蔵庫側のスペースです。SJ-H13Eでは、載せた物のいちばん上から300mm以上の空間が必要で、背面側にはみ出さないよう書かれています。冷蔵庫も放熱する家電なので、レンジのすき間と冷蔵庫のすき間、両方を満たす必要があります。

小型冷蔵庫の耐熱天板の内側に電子レンジを収め、上に十分な空間を残す(イメージ画像)
小型冷蔵庫の耐熱天板の内側に電子レンジを収め、上に十分な空間を残す(イメージ画像)

背の高い大型冷蔵庫の上は、手が届きにくく、熱い器を取り出すときに危ないので、そもそも置き場所に向きません。パナソニックも、冷蔵庫の上に置けるケースとして、高さ150cmほどの小型冷蔵庫を挙げています。

ラック・レンジ台・棚に置くときの注意

キッチンが狭い部屋では、レンジ台やキッチンラックを使うことが多いはずです。ラックに置くときは、次の点を見ておきます。

まず、棚板の耐荷重がレンジの重さを上回っていること。水平でがたつかないことも大切で、パナソニックは、不安定な場所は落下によるけがや故障、騒音や振動の原因になるとしています。地震に備えて、ラックごと転倒防止の器具で固定しておくと安心です。

次に、レンジの上の棚板との距離です。ラックの段の高さが本体ぎりぎりだと、上方のすき間が取れません。買う前に、レンジの高さに説明書の上方のすき間を足した寸法が、段の高さに収まるかを確かめます。

扉付きの収納に入れるタイプの家具では、使い終わってすぐに扉を閉めないこと。パナソニックは、放熱が終わってから扉を閉めるよう案内しており、扉の素材によっては熱で変形するおそれがあるとしています。

ラックの下の段に何を置くかも決めておきます。日立は、炊飯器や電気ポットなど水蒸気が出る物をレンジの下に置かないよう案内しています。炊飯器や電気ケトルは、蒸気が上の段に当たらない引き出し式の棚か、別の場所に分けるのが無難です。

置いてはいけない場所と、近くに置かないもの

すき間が取れていても、置いてはいけない場所があります。メーカーのFAQで挙げられているものをまとめます。

  • コンロやIHのすぐ横(樹脂部品が熱で変形したり焦げたりするおそれ)
  • 水がかかるシンクの近く
  • 畳やじゅうたんなど熱に弱い物の上、カーテンなど燃えやすい物の近く
  • 小さな子どもの手が届く場所
  • 防火性能の低い化粧板の壁の前(パナソニックは、背面の壁は不燃・準不燃の認定がある壁材を推奨)

近くに置かないものもあります。テレビやラジオ、無線LAN機器は、レンジを使うと映りや通信が乱れることがあります。離す距離は、日立が3m以上、パナソニックが4m以上と案内しています。Wi-Fiのルーターを電子レンジの近くに置いていて、温めている間だけ通信が遅くなる場合は、置き場所を離すと改善することがあります。

レンジの上に物を置かないことも基本です。調理中や調理後は上面が熱くなるため、上に布巾や紙袋を置いたままにしないようにします。アース線は必ずつなぎます。

新生活の部屋で困りやすい点と、買う前の測り方

電子レンジは、置き場所を選ぶ家電です。どれだけ機能が良くても、決められたすき間を取れなければ設置できません。ここが、買う前に一番見落としやすい弱点です。

新生活の部屋で困りやすいのは、キッチンにレンジを置く台がない、冷蔵庫の上しか空いていない、コンセントが遠い、の3つです。買う前に次の寸法を測っておくと、届いてから置けないという失敗を避けられます。

  • 置く場所の幅・奥行・高さ(上に棚や吊り戸棚があれば、その下端まで)
  • 冷蔵庫の上に置くなら、冷蔵庫の天板の耐熱温度と耐荷重
  • コンセントの位置と、アース端子があるか
  • 扉が開く向きと、開けたときの手前のスペース

寸法が分かったら、候補の機種の「本体寸法+すき間」がその場所に収まるかを比べます。置き場所がぎりぎりなら、左右や背面をぴったり付けられる機種を選ぶと、同じ場所でも一回り大きい庫内を選べることがあります。

動線の面では、パナソニックは冷蔵庫の近くを勧めています。冷蔵庫から出した食品をそのまま温められるからです。高さは調理台に合わせると、器の出し入れで手を上下させずに済みます。調理台の高さは平均で85〜90cmほどとされています。

電子レンジの置き場所は、すき間・台の強さ・周りの家電の3つが決まれば、ほぼ答えが出ます。サイズに合う機種を比べるなら電子レンジのおすすめ・ランキングへ、トーストやグリルもまとめて置くならオーブントースターの選び方もあわせて確かめてください。