衣類乾燥機を買う前や使い始めたころに、いちばん多い心配が「お気に入りの服が縮まないか」です。結論から言うと、縮むかどうかの手がかりは服のタグ(洗濯表示)にあり、記号を見れば入れてよい服と入れてはいけない服はかなり分けられます。
ただし表示がOKでも、綿のTシャツやニットのように、乾燥機の熱と回転で多少縮む服はあります。この記事では、パナソニックや日立の説明書・公式ページをもとに、タンブル乾燥記号の読み方、縮みやすい服の目安、縮ませない乾かし方、縮んだときの戻し方を順に整理します。機種そのものの選び方は衣類乾燥機のおすすめ・ランキングにまとめています。
衣類乾燥機で服が縮むのはなぜ?
服が縮む原因は、乾燥機だけにあるわけではありません。パナソニックの衣類乾燥機(NH-D603・NH-D503)の説明書では、水につけたり、洗って乾かしたりするだけで縮むものがあると説明しています。生地を作るときに引っ張られていた繊維が、水にぬれて元に戻ろうとするためです。
そこに乾燥機の「熱」と「回転(機械力)」が加わると、さらに縮むものがあります。ドラムの中で服がもまれながら温風を受けるため、干しただけなら目立たなかった縮みが、乾燥機では表に出やすくなります。
つまり、乾燥機で縮みやすい服は「もともと水で縮みやすい服」と「熱に弱い素材の服」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。前者は乾燥のしかたで縮みを抑えられることがあり、後者はそもそも乾燥機に入れない服です。
縮む服・縮まない服は洗濯表示で見分ける

最初に見るのは、服の内側に付いているタグの洗濯表示です。2016年12月から、洗濯表示は国際規格にそろえた新しい記号に変わり、乾燥機での乾燥を示す「タンブル乾燥」の記号が加わりました。四角の中に円が描かれたものがその記号です。
| 記号のようす | 意味 | 衣類乾燥機での扱い |
|---|---|---|
| 四角に円、中に点が2つ | タンブル乾燥ができる(排気温度の上限80℃) | 通常の温度で乾燥できる |
| 四角に円、中に点が1つ | 低い温度でのタンブル乾燥ができる(排気温度の上限60℃) | ヒーター弱・低温コースを使う |
| 四角に円、×印 | タンブル乾燥禁止 | 乾燥機に入れない |
点の数が多いほど高い温度まで耐えられる、と覚えておくと迷いません。ここでの温度は服そのものの温度ではなく、乾燥機から出る排気の温度の上限です。
もう1つ大事なのが、新しい洗濯表示は「この条件までなら損傷を起こさない」という上限の表示だという点です。以前の表示は「この方法がよい」という推奨でしたが、今は限度を示す考え方に変わりました。点2つの服でも、「絶対に縮まない」ことを保証する記号ではありません。
四角の中に円がない記号は自然乾燥
四角の中に縦線や横線が入っている記号は、つり干しや平干しなどの「自然乾燥」の指定です。左上に斜線があれば日陰干しを意味します。タンブル乾燥の記号がなく自然乾燥の記号だけが付いている服は、乾燥機ではなく干して乾かす前提の服と考えてください。
2016年以前の古い服は記号がない
2016年11月以前の旧表示には、タンブル乾燥の記号そのものがありませんでした。古い服で記号が見当たらない場合は、「タンブラー乾燥はお避けください」といった文字の付記がないかを確認します。付記があれば乾燥機は避けます。表示がない服について、日立はクリーニング店への相談を勧めています。
衣類乾燥機で縮みやすい服・入れてはいけない服
洗濯表示とあわせて、素材と服の種類からも目安をつけておくと失敗が減ります。メーカーの説明書をもとに、3つに分けて整理しました。
乾燥機に入れてはいけない服(パナソニックの衣類乾燥機の説明書で「乾燥できないもの」とされているもの)
- ウールの衣類(縮みや毛が抜ける原因)
- 絹・レーヨン・キュプラの製品と、その混紡品(変色や形くずれの原因)
- タイツ(傷みや変形の原因)
- 刺しゅうやレースの付いたもの、新合繊(超極細繊維)
- 皮革・毛皮の製品、防水性のもの、のり付けしたもの
日立の洗濯乾燥機の公式FAQでも、ウールの衣類やタイツ、レースや刺しゅうの付いたもの、新合繊が乾燥できないものに挙げられ、熱に弱い素材は熱風に長くさらされると縮みや型くずれの原因になると説明されています。
表示がOKでも縮みやすい服
パナソニックの説明書は、乾燥で縮むことがある例として綿や麻などのニット製品、肌シャツ、Tシャツ、ポロシャツ、トレーナーを挙げています。綿や麻のように丈夫な繊維でも、ニットや目の粗い生地のように織り方しだいで縮むことがあるとしています。ポリウレタンを使った靴下やストッキングも縮むことがあります。
比較的安心して任せやすい服
パナソニックの説明書では、標準コースに向く衣類として日常の衣類・肌着・タオルが挙げられ、乾燥容量の目安の例には綿100%のパジャマや長袖肌着、混紡のワイシャツや作業着が並んでいます。日常の洗濯物の多くは、表示がタンブル乾燥OKならそのまま任せられます。それでも気に入っている服ほど、最初は少量で様子を見るのが無難です。
衣類乾燥機で服を縮ませない乾かし方
縮みやすい服でも、乾かし方を変えると縮みを抑えられることがあります。メーカーが説明書や公式ページで案内している方法をまとめます。
ヒーター弱・低温コースを使う
点1つの服や熱に弱い化繊は、ヒーターを「弱」にするか、低温乾燥のコースを使います。パナソニックのNH-D603・NH-D503では、熱に弱い化繊などはヒーター「弱」を使うよう案内しています。日立の衣類乾燥機DE-N60HVには、靴下や薄手のセーターなど熱で縮みやすい衣類向けの「低温乾燥」コースと、熱を加えてはいけない化繊向けの、ヒーターを使わない「風乾燥」コースがあります。
注意したいのは、低温で乾かすときは一度に入れられる量が減ることです。パナソニックのNH-D603・NH-D503は、ヒーター「弱」ではコースにかかわらず容量が2kgになります。日立のDE-N60HVも、低温乾燥は4kg以下、風乾燥は化繊混紡1kg以下とされています。縮ませたくない服だけを分けて、少なめに入れて回すのが基本です。
生乾きで取り出して干す
乾かしきらずに途中で止めるのも効果があります。パナソニックの説明書では、タイマー乾燥で生乾きのうちに取り出し、すぐにつり干しする方法と、つり干しでほとんど乾かしてから仕上げだけ乾燥機を使う方法を挙げています。乾燥機にかける時間が短いほど、熱と回転を受ける時間も短くなります。
高温の除菌コースに縮みやすい服を入れない
最近の衣類乾燥機には、仕上げに庫内の温度を上げる除菌コースを持つ機種があります。パナソニックのNH-D603・NH-D503の「約75℃除菌」コースは、乾燥の最後にドラム内を約75℃まで上げる運転で、説明書には熱に弱い衣類は縮むことがあると書かれています。タオルなど丈夫なものに使い、Tシャツやニットは標準や弱で乾かすほうが安全です。

洗濯の段階から分けておく
乾燥機に入れる服と干す服は、洗濯機から出す前ではなく洗濯かごの段階で分けておくと手間が減ります。乾燥できない服が1枚まぎれ込むだけで、縮みや型くずれの原因になるためです。ウールや絹など乾燥できない服は、表示どおり自然乾燥にします。
縮んでしまったときの戻し方と、衣類乾燥機の苦手なこと
縮んだ服は、素材によってはある程度戻せることがあります。パナソニックの説明書では、綿製品が縮んだら、衣類を十分にぬらしてから引っ張ると、ある程度縮みが戻るとしています。日立は洗濯乾燥機の公式FAQで、洗濯前に型紙を取っておき、縮んだらスチームアイロンを浮かせて当てながら型紙に合わせて伸ばす方法を案内しています。ただし、どちらも完全に元どおりになるとは限りません。
ここで、衣類乾燥機の限界もはっきりさせておきます。衣類乾燥機は、家の洗濯物を全部任せられる道具ではありません。ウールのセーターや絹のブラウス、レースの下着など、乾燥できない服は一定の割合で残ります。縮みやすいニットやTシャツを低温で乾かせば時間もかかり、1回に入る量も減ります。
そのため、乾燥機に入れられない服は部屋干しで乾かす場面が残ります。部屋干しを早く乾かすなら、除湿機とサーキュレーターの組み合わせが役立ちます。置き場所や使い方は除湿機で部屋干しを早く乾かすコツで詳しく扱っています。乾いた服のシワを伸ばしたいときは衣類スチーマーも選択肢です。
買う前に確かめたい、縮みを抑えるための仕様
縮みが心配な家庭では、衣類乾燥機を選ぶときにコースと容量の仕様を見ておくと後悔が減ります。
- ヒーターの強弱や低温コースがあるか:点1つの服や熱に弱い化繊を乾かせるかどうかが変わります。温度の切り替えやコースの数は機種ごとに違うので、仕様表で確かめます。
- 風乾燥など、ヒーターを使わないコースがあるか:熱を加えられない化繊を乾かしたいなら有無を見ます。
- 低温時の容量:低温コースや弱では容量が通常より小さくなる機種があります。縮ませたくない服が多い家庭は、通常の容量だけでなく低温時の容量も見ておきます。
- タイマー乾燥の細かさ:生乾きで取り出す使い方をするなら、短い時間で止められるかが使い勝手を左右します。
もう1つおすすめしたいのが、買う前に手持ちの服のタグを何枚か見ておくことです。家族の普段着の多くがタンブル乾燥OKなら乾燥機の出番は多く、ニットやウールが多いなら乾燥機に入れられない服が残る前提で考えられます。
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服が縮むかどうかは、乾燥機の性能よりも、入れる服の選び方と乾かし方で決まる部分が大きいと言えます。タグのタンブル乾燥記号を確かめ、縮みやすい服は弱や低温で少なめに、心配な服は生乾きで取り出して干す。この3つを押さえれば、乾燥機で服をだめにする失敗はかなり防げます。容量やタイプで機種を比べたいときは、衣類乾燥機のランキングを参考にしてください。
