空気清浄機を買ったものの、「とりあえず部屋の隅に置いている」という人は多いはずです。ダイキンの調査でも、置き場所で一番多かった答えは「部屋の壁際」でした。

結論から言うと、置き場所の正解は1つではありませんが、外してはいけない原則は2つです。吸込口と吹出口をふさがないこと、そして汚れが流れてくる空気の通り道に置くこと。同じ機種でも、置き方しだいで集めるホコリや花粉の量は変わります。この記事では、メーカーの説明をもとに、部屋の真ん中か壁際か、高さ、エアコンとの位置関係、置いてはいけない場所を順に整理します。機種そのものの選び方は空気清浄機のおすすめ・ランキングにまとめています。

空気清浄機の置き場所、先に結論

細かい理屈の前に、まず外さないための目安を挙げます。

  • 吸込口・吹出口の前に壁や家具、カーテンが来ない位置にする(必要な間隔は機種の説明書で確認)
  • 花粉が気になる時期は、窓や玄関など外気が入ってくる側を意識して置く
  • エアコンの風が直接当たる場所、直射日光、キッチン、ストーブの近くは避ける
  • 寝室や子ども部屋は低い位置に置き、風が体に直接当たらないようにする

空気清浄機は、部屋の空気を吸い込んでフィルターでこし、きれいな空気を吐き出す道具です。つまり、吸い込める範囲にある汚れしか集められません。どこに置くかは「どこの空気を吸わせたいか」と言い換えると、迷いにくくなります。

部屋の真ん中と壁際、高さはどうする?

窓から入った空気は正面の壁にぶつかり、壁沿いに広がる。その通り道で吸わせるのが置き場所の考え方(イメージ画像)
窓から入った空気は正面の壁にぶつかり、壁沿いに広がる。その通り道で吸わせるのが置き場所の考え方(イメージ画像)

「部屋の真ん中が一番効く」と聞くことがありますが、メーカーの説明は少し違います。パナソニックは、リビングやダイニングの中央にはなかなか置きづらいとして、空気の流れが自然にできる場所を目安に挙げています。

参考になるのが、ダイキンが気流解析ソフトで行ったシミュレーションです。窓を開けて換気している部屋で、置き場所の候補を8か所比べたところ、最も多くの花粉を吸い込んだのは「空気が入ってくる窓の正面の隅」でした。窓から入った花粉は正面の壁にぶつかり、壁沿いに左右へ広がるため、その先の隅で待ち構えると効率よく吸えるという理屈です。置き場所によって吸い込む花粉の量に5倍以上の差が出たとされ、風量が大きいほど多く吸い込むことも示されています。

では壁際はだめなのかというと、問題は壁際そのものより壁との間隔です。背面や側面から空気を吸う機種を壁にぴったり付けると、空気の入口がふさがれて吸い込みが弱まります。必要な距離は機種で違い、たとえばパナソニックのF-PX70Cは前方40cm・背面と左右2cmと案内されています。前面から吸うタイプなら壁際に置ける機種もあります。手持ちの機種がどこから吸ってどこへ吹くのかを、まず説明書で確かめておくのが近道です。

高さは床置き?台の上?

基本は床置きで構いません。ハウスダストや花粉は床の近くにたまりやすく、人が歩いたり座ったりすると舞い上がります。パナソニックは、花粉対策なら床に置くこと、子ども部屋では子どもの生活範囲が床から約30cmの高さなので低い位置に置くことを案内しています。

例外は、たばこの煙のように上へ広がる汚れです。パナソニックの解説では、たばこ対策には少し高い位置が向くとされています。ただし、台に載せるときは転倒しない安定した場所を選び、吹出口の風が家具や壁に長時間当たらない向きにします。風が当たり続けると、木製の家具にシミや変形が出るおそれがあるためです。

棚の中やテレビ台の奥のような囲まれた場所も、吸込口と吹出口がふさがれやすいので避けたほうが無難です。

エアコンとの位置関係(冷房と暖房で変わる)

暖房のときはエアコンの対面、冷房のときはエアコン側の下のほうが目安。風が本体に直接当たる位置は避ける(イメージ画像)
暖房のときはエアコンの対面、冷房のときはエアコン側の下のほうが目安。風が本体に直接当たる位置は避ける(イメージ画像)

エアコンを使う季節は、エアコンが作る気流に合わせて置くと空気を集めやすくなります。パナソニックの案内は次のとおりです。

エアコンの運転 置き場所の目安 注意
暖房 エアコンの対面 暖かい風が本体に直接当たらない位置に
冷房 エアコンの下のほう 真下は水漏れで濡れるおそれがあるので避ける

共通して避けたいのは、エアコンの風が本体に直接当たる位置です。急な温度変化で外装が変形したり、センサーが誤作動したりするおそれがあると説明されています。吸い込みたい空気の流れも乱れます。

エアコンの気流で部屋の空気そのものを回したい場合は、サーキュレーターを組み合わせる手もあります。置き方の考え方はサーキュレーターの置き方で整理しています。

部屋別の置き方(リビング・寝室・玄関)

部屋の使い方によって、吸わせたい汚れが違います。

リビングは、人の出入りが多く、窓からの外気も入る場所です。窓やドアから入る空気の通り道を意識し、動線のじゃまにならない位置で、吸込口の前を空けておきます。パナソニックは、布張りのソファなどホコリがたまりやすい家具の近くも候補に挙げています。

寝室は、風が体に直接当たらない足元のほうが目安です。眠っている間に風を浴び続けると体が冷えすぎることがあるため、顔や体に向けないようにします。パナソニックは、寝る1時間ほど前から運転しておく使い方を紹介しています。

玄関は、花粉など外の汚れが家の奥に入るのを手前で抑える場所として挙げられています。2台目を置く余裕があれば候補になります。

ペットがいる家では、ペットが長くいる部屋やトイレの近くが目安です。除湿機や加湿器と同じ部屋で使う場合は、本体どうしを30cm以上離し、吹出口の風がぶつからない向きにするよう案内されています。部屋干しの湿気対策は除湿機の選び方・ランキングもあわせてどうぞ。

置いてはいけない場所

メーカー各社の注意書きで共通しているのは、次のような場所です。

  • 直射日光が当たる場所:本体が高温になり、外装が変形・変色するおそれがあります。
  • 窓際の結露しやすい場所:寒暖差や結露で湿度センサーに影響が出たり、カーテンにカビが出やすくなったりします。
  • キッチンなど油煙が多い場所:フィルターがべたつき、傷みが早くなります。ダイキンは、台所で換気扇やレンジフードの代わりには使えないと明記しています。
  • ストーブの近く:熱が直接当たると本体を傷めます。
  • 浴室など湿気の多い場所:日立・ダイキンとも使用を避けるよう案内しています。
  • 火災報知器の近く:ダイキンは、空気の流れで報知器の反応が遅れたり、反応しなかったりするおそれがあるとしています。
  • スプレーや可燃性のものの近く:殺虫剤やシンナーなどを本体に吹きかけないよう案内されています。

ダイキンは、ろうそくやアロマキャンドルなどすすが多く出る場所でも使わないよう案内しています。

置き場所を工夫しても、空気清浄機にできないこと

置き方を整えても、空気清浄機には苦手なことがあります。ここを知っておくと、期待しすぎずにすみます。

まず、換気の代わりにはなりません。日立は空気清浄機には換気の能力がないとしており、閉め切った部屋では時々窓を開けるよう案内しています。ストーブやファンヒーターなど燃焼器具と一緒に使うときは、一酸化炭素中毒を防ぐため必ず換気してください。

次に、床や布団、服に付いたものは吸えません。空気清浄機が集めるのは空気中に浮いている汚れです。床に落ちた花粉やホコリは掃除機で取り、外から帰ったら上着をはたいてから部屋に入る、といった手間はなくなりません。

そして、置き場所よりも大きく効くのが部屋の広さに合った能力と、フィルターの手入れです。適用床面積が部屋に対して小さい機種は、どこに置いても空気を入れ替えるのに時間がかかります。フィルターが目詰まりすれば吸い込む力も落ちます。

迷ったら:説明書の間隔を守って、汚れの来る側へ

置き場所に迷ったら、まず手持ちの機種の説明書で吸込口の位置と必要な間隔を確かめ、その間隔を守れる場所の中から、窓や玄関など汚れが入ってくる側を選んでください。エアコンの風と直射日光が当たらないこと、寝室では体に風が当たらないことを確認すれば、大きく外すことはありません。

これから買う人は、置きたい場所の幅と奥行きを測っておくと、機種を選ぶときに迷いません。部屋の広さに合う機種と、花粉・ペット・加湿の有無での選び方は、空気清浄機のおすすめ・ランキングで比べられます。