食洗機を使い始めると、食器かごの前で手が止まる場面があります。木のお椀や子ども用のプラスチック皿、アルミの雪平鍋をそのまま入れてよいのか、迷う人は多いはずです。
結論から言うと、入れる前に見るのは2つです。素材が熱と専用洗剤に耐えられるかと、水流で飛ばされたり割れたりしないか。漆・アルミ・銅・鉄・クリスタルガラス・強化ガラスは、シロカとパナソニックの説明書でそろって「洗えないもの」に入っています。木(竹・とう)の食器も、シロカが洗えないものに挙げています。プラスチックは耐熱温度で分かれます。この記事では、シロカとパナソニックの取扱説明書・公式の案内をもとに、洗えないものと理由を素材別に整理します。食洗機そのものの選び方は食洗機(工事不要)のおすすめ・ランキングにまとめています。
食洗機で洗えないもの、先に一覧で
細かい理由の前に、メーカーの説明書が挙げているものを並べます。シロカの2WAY食洗機SS-MA351の取扱説明書は、洗えないものを理由ごとに分けています。
| 理由 | 洗えないもの(説明書の記載) |
|---|---|
| 熱に弱い | 耐熱90℃未満のプラスチック食器、耐熱表示のないプラスチック食器 |
| 割れやすい | 傷のついたガラス食器、ひびの入った食器、木製の柄の付いた鍋・包丁 |
| 変色しやすい | 銀製・洋銀製の食器、アルミ製・銅製の鍋や食器、木(竹・とう)製の食器、漆塗りの食器・重箱、金箔入り・上絵付けの食器、クリスタルグラス |
| 破片が飛び散る | 強化ガラス製のもの(洗浄中に粉々になる) |
| 飛ばされやすい | プラスチックのスプーンやふた、発泡スチロール容器、ふきん、スポンジ、ほ乳瓶の吸い口 |
| その他 | 鉄製のフライパンなどさびるおそれがあるもの、表面に傷があるフッ素加工のフライパン、びんやとっくり |
パナソニックのビルトイン食洗機のガイドも、耐熱90℃未満のプラスチック製品、クリスタルグラス、銀製・金箔入りの食器、アルミ製・銅製の鍋、鉄製の包丁やフライパン、強化ガラス製・ひび割れ模様・漆塗りの食器を挙げています。メーカーが違っても、顔ぶれはほぼ同じです。
ただし、最終的な正解はお使いの型番の取扱説明書です。洗剤の箱に「使えない食器」が書いてあれば、それも守ります。シロカの説明書も、食器洗い機専用洗剤に洗えないと書かれているものは入れないよう案内しています。
なぜ洗えないのか、高温のすすぎと専用洗剤
食洗機は、手洗いよりずっと熱いお湯と専用の洗剤を使う家電です。洗えないものが出てくる理由は、ほぼこの2つにあります。
まず温度です。シロカのSS-MA351は、すすぎの最後に加熱すすぎを行います。温度は標準コースで約75℃、低温のソフトコースでも約60℃です。手で触れていられる温度ではないため、熱で形が変わる素材や、変色しやすい漆の器には負担がかかります。
次に洗剤です。食洗機には専用洗剤を使い、台所用の液体洗剤は少量でも使えません。パナソニックによると、台所用洗剤は大量の泡が出てうまく運転できないためです。その専用洗剤が、素材によっては変色やさびの原因になります。パナソニックは、アルミ製・銅製・鉄製の調理器具は食洗機用の洗剤で変色したりさびたりすることがあると説明しています。
3つ目が水流です。庫内ではノズルから強い水が噴き出します。軽いものは飛ばされ、ひびのある食器は割れることがあります。パナソニックは、飛ばされた軽いものがヒーターカバーの上に落ちると、発煙・焦げ・変形・においの原因になるとしています。

素材別の見分け方、プラスチック・木と漆・金属・ガラス
ここからは、手持ちの食器を素材ごとに見ていきます。
プラスチックは耐熱温度で決まります。パナソニックとシロカは、耐熱90℃未満のものを洗えないものに挙げています。シロカのSS-MA351には低温のソフトコースがあり、耐熱65℃以上90℃未満の食器はこのコースで洗えます。65℃未満のものと、耐熱表示のないものは入れません。食事用・台所用の多くの合成樹脂製品には、消費者庁の表示規程にもとづいて耐熱温度が表示されています。裏面のラベルや底の刻印で確かめられます。なお、プラスチックは水をはじいて大きな水滴が残るため、食洗機に入れても乾きにくい素材です。シロカは、傾けてセットするよう案内しています。
木と漆は、食洗機に入れないのが基本です。シロカの説明書は、木(竹・とう)製の食器や漆塗りの食器・重箱を「変色しやすいもの」に入れています。パナソニックも、木製の柄が付いた鍋は水流や熱で割れる場合があるとしています。お椀やお盆、木べら、竹のざるなどがこれに当たります。器に「食洗機対応」と表示されたものだけは例外です。
金属は、種類で分かれます。アルミ・銅・鉄は洗えないものの代表で、理由は洗剤による変色やさびです。アルミの雪平鍋、銅の卵焼き器、鉄のフライパンや中華鍋は手洗いにします。銀や洋銀のカトラリーも、シロカは変色しやすいものに入れています。フッ素加工のフライパンは、パナソニックがコーティングがはがれる可能性があると書いています。ホットプレートのプレートのような加工品も、入れる前に本体の説明書で可否を確かめてください。
ガラスと陶磁器は、多くが食洗機の得意分野です。ただし例外があります。強化ガラスは、洗浄中に粉々になって破片が飛び散り、けがの原因になるとシロカは注意しています。クリスタルガラスは白くくもります。表面に小さな傷があるガラスも、高温で洗うとまれにくもります。陶磁器は、金箔入りや上絵付けのもの、ひびや貫入(ひび割れ模様)のあるものが対象外です。
包丁・水筒・小物はどうする?
素材だけでは決めにくいのが、包丁と小物です。
包丁は、メーカーや機種によって扱いが違います。パナソニックのビルトイン食洗機のガイドは鉄製の包丁を、シロカは木製の柄の付いた包丁を、洗えないものに挙げています。柄が木の包丁と、鉄製(鋼)の包丁は手洗いにします。それ以外の包丁も、説明書で入れてよいか、どこにどう置くかを確かめてからにします。
軽いものは、小物入れに入るかどうかが分かれ目です。プラスチックのスプーンやふた、ほ乳瓶の吸い口、発泡スチロールの容器は、水流で飛ばされやすい代表です。パナソニックは、かごの小物入れにセットできるものは例外としています。小物入れに収まらない軽いものは手洗いにします。ふきんやスポンジは入れません。
口の小さいものも向きません。びんやとっくりは、パナソニックによると噴射が中まで届かず、汚れが残る場合があります。水筒は、食洗機に入れてよいかを製品の説明書で確かめます。
食洗機が苦手なこと、入れても落ちない汚れ
洗える素材でも、食洗機に任せきりにできない汚れがあります。ここが、食洗機の限界です。
パナソニックのガイドは、鍋の焼け付きや焦げ付き、グラタン皿の焦げ、茶わん蒸しのこびり付きを、事前にこすり洗いが必要なものに挙げています。そのまま入れてもきれいに落ちないためです。こびり付いた茶渋や口紅、プラスチックに付いたカレーやケチャップの色素も、落ちない場合があります。
置き方でも汚れは残ります。食器を重ねたり、かごからはみ出させてノズルの回転を止めたりすると、水が届かない面が出ます。シロカは、スピーディーコースは洗浄時間が短いため、汚れをしっかり落としたいときは念入りコースを使うよう案内しています。
食洗機は、陶磁器・ガラス・ステンレスの食器を毎日まとめて洗う道具です。焦げた鍋や木の器まで、何でも引き受けてくれるわけではありません。家にある食器の何割が「入れられる側」かで、食洗機の便利さは変わります。
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買う前に、手持ちの食器を仕分けてみる
食洗機を買うか迷っているなら、先に家の食器を2つに分けてみると判断しやすくなります。

- 陶磁器・ガラス(強化ガラスとクリスタルを除く)・ステンレスの食器やカトラリー → 入れられる側
- 底に「耐熱90℃以上」とあるプラスチック → 入れられる側(それ未満は、SS-MA351のように低温コースで洗える耐熱温度を説明書に書いている機種なら)
- 耐熱表示のないプラスチック、木・竹・漆の器 → 手洗いの側
- アルミ・銅・鉄の鍋とフライパン、柄が木の包丁 → 手洗いの側
- 強化ガラス・クリスタルグラス・金彩の器 → 手洗いの側
毎日使う茶碗や皿、グラスの大半が入れられる側なら、食洗機を入れる意味は大きいはずです。逆に、普段使いの器が木や漆中心だと、食洗機に入る量が少なく、手洗いの手間はあまり減りません。プラスチック食器が多い家では、低温コースがあるか、そのコースで耐熱何℃以上を洗えるかを説明書で確かめておくと安心です。
フライパンや鍋まで食洗機に任せたいなら、庫内の高さとかごの形も見ておきます。工事不要のタンク式は本体がコンパクトなぶん、大皿やフライパンが入りにくい機種があります。入れたい物の寸法と、手洗いに残す物を決めてから、食洗機(工事不要)のおすすめ・ランキングで容量と大きさが合う機種を比べてください。
